オレが保護者だ!


― んん〜、ん!?
オレは寝ていたベッドから跳ね起きた。
― …ふう、やれやれ…
どうやらまた行ったようだ。
― まったく、せわやかせやがって…
オレは宿屋の戸を蹴り開け、闇の中へと消えていった…


オレの名はガウリイ・ガブリエフ、旅の傭兵だ。
今はリナの保護者をしているんだ。
ま、ちかごろは何事もなくのんびりとしているし
保護者といっても、ただリナについていっているだけだが…


「ふっ、たわいない。」
その声が聞こえたのは、しばらく走ったところであった。
どうやら盗賊団をすべて倒した後らしかった。
…ったく、あいつは…
そう思ったとき、リナの表情が変わった。
すると横から急に…
キィィン!
剣の交わる音がした。
― オ、オレでも気を感じられなかった。
…なかなかの使い手だな。
― オレもこうしてはいられない。
そう思ったとき
「きゃ、つつつ…」
リナの足がとられた。
― いまだ!
  おれは地面を蹴った。


カァァン!
『な、誰だ』
「オレは、こいつの保護者でね。
こいつとやるのはオレを倒してからにしな!!」
オレは言い返した。
『ふっ、おもしろい』
「やれるものならやってみろ!!」
オレはそいつと剣を交えた。
リナは、とどまっていたがすぐに気を取り直したようだ。
『くっ』
先に(と言うか、すぐに)声をあげたのは暗殺者のほうだった。
クカァァァンン!
そいつの剣をはらった。
「振動弾!」
リナの呪文が、炸裂する。
『ぐ、ぐああ。く、今日はこのくらいでゆるしてやる。おぼえてろ!』
つきなみの言葉を残して…
「誰がおぼえるか!電撃!」
ズバッ,バリバリ…
― あ、あり?思ったより弱かったな。
さっきはまだねむたから気を感じられなかったのかな?
よくよく見てみるとただの盗賊の親分らしい。


「ねえ、ガウリイ。」
リナがとるもん取って、話し掛けてきたのはその帰り道だった。
「ん?なんだ?」
「酒くさい」
「……悪かったな……。」
「どうしてわかったの?ここ」
「ああ、ここらでけむりが上がっていたからだ。」
「あ、爆煙舞しなければよかった。」
「って、そうじゃないだろ。夜中に盗賊狩りなんてするんじゃない!」
「ガウリイには乙女心がわからないのよ。」
「そうじゃないだろ!!」


かくして、オレたちは宿屋の自分の部屋へともどった。
― あ〜あ、なんかつかれたなぁ。
オレはそのままベッドにごろりと横になった。
― まあ、だてに保護者もやってないしな。
オレはそのまま眠りについた。

…リナが大きな事件に巻き込まれないことを心の底で願いながら…

なんてことも考えずに……。(ああ、おいしいラストが…。)


…ちなみに…

このころからっだったりする。
リナが夜オレに酒をすすめるようになったのは。
リナ「ガウリイを酔っ払わせとけば、次の日には
盗賊狩りのことおぼえてないのよ。んふふふ…。」




おわり