スレイヤーズ Old!!
「ついた・・・・・」
僕は感動の涙を流していた
一ヶ月前家を出てようやく目的地であったセレンティアについたのだった
「ほんと、長かったわねえ」
全然そうとは思わせないとろんとした口調で姉さんが言った
「本当なら2週間前に着いててもおかしくないんだよ」
「まぁ、確かにそうねぇ」
こんなに遅くなったのはいうまでもない、今すぐそばの露店でホットドッグを買いまくっている
ばあちゃんのせいである
「またあんなに買い込んで」
ばあちゃんの行動を微笑ましそうに見ている姉さん
この人もマイペースである
・・・・・・・・・
何か物音がした
と思うや否や横からじいちゃんがこともなげに
「剣戟の音がするな・・・・」
僕は少しびっくりしてじいちゃんに降りかえり
「じいちゃんも聞こえてたの」
「ああ、おまえも聞こえてたんだな」
どごっ!
といきなり前の建物の壁が吹っ飛び、壁にあいた穴から数人の人影が出てきた
「まてっ!」
その人影を負って出てくる戦士風の男二人と魔道士が一人
「ちっ、逃がしたか」
戦士のうちの一人が舌打ちをし、もう一人のほうがこちらを向き
「貴様らも、奴らの仲間か!」
と、いい剣を抜き放つ
僕は慌てて
「い、いえ僕らは通りすがりの民間人ですけど」
「うそつけ、通りすがりの民間人が剣もってタイミングよくこんな場所にいるか!」
(頭から人を疑うか・・・・こいつ)などと思いながら
「もっと冷静に考えてくださいよ、それに逃げた奴を追わなくていいんですか、
あっちのほうに行ってましたよ」
と、壁から出てきた連中の逃げたほうを指していう僕
「言い逃れしようとしても無駄だ、俺にはちゃんと分かってるんだからな!」
といい、剣をかまえなおす戦士A
爆裂陣!
この三人の相手もいいかげん嫌になってきたとき一発の呪文が三人をふっ飛ばした
その呪文を放った人は
「なぁにあんな馬鹿な連中まともに相手してるのよ」
ホットドッグのはいった大きな袋を抱えているばあちゃんだった
「大丈夫だった、フェリス?」
心配そうによってきた姉さんもなぜか大量のホットドッグが入った袋を抱えていた
「しっかし似てるわね」
ホットドッグをほおばりつつ言うばあちゃん
「似てる、何に?」
「四五年前よ、あの時もセレンティアについた日に今日と同じようなことがあったのよ」
相変わらず、ホットドッグを食べる手を休めずに言う
「そんなことあったけ?」
ホットドッグを両手にもち不思議そうな顔をするじいちゃん
「あったのよ、まぁあんたは覚えてないでしょうけど」
「でも、本当にそんなことがあるのかしら四五年前と同じ事にあうなんてこと?」
姉の問いに神妙な顔をして答えるばあちゃん
「ルーナちゃん、セレンティアの前の町の魔道士協会で聞いたでしょう」
「セレンティアの神官長が死んだって話のこと?」
横から口を挟む僕
昨日宿を取った村でも同じ話で持ちきりだった、セレンティアの神官長が焼死したという話で
村の老人は口々に四五年前に似てるといっていたが僕は信じられなかった、何しろその当時
生まれてもいなかったんだから
「そう、その事件にあたしたちは・・・・・かかわって・・いた」
「な、じゃあまるでばあちゃんがここに来るのに合わせて事件が起きたみたいじゃないか!」
そんなことがあろうはずも無い、ぼくはそう思ったが事件は現実に起こっている
「そんなこと・・・・できるの?」
困惑気味にいう姉さん
「分からない」
そうとしか答えられない僕
「フェリス、ここに来た理由を言ったわよね」
ばあちゃんに言われ僕は少し考えてから
「確か、ばあちゃんの夢に出てきた人の墓参りだっけ・・・・ってその人いつ死んだの!」
おおかた帰ってくる答えを分かっていながらも僕はばあちゃんに聞いた
そしてばあちゃんは予想通りの答えを返してきた