スレイヤーズ はっぴー



「ガウリイ??」
聞こえた声は震えていた。
「ねぇ・・・・ガウリイ。いったい何処にいるの??」
この声はどこかで聞いたことのあるものだった。
「・・・・・どうしちゃったのかな・・・・・・・ここで待ち合わせしてるのに・・・・・」
その声の主とは、リナのものだった。
ヴァルガーヴとの戦いの後、皆はそれぞれの方向へ旅立った。
その2年後・・・・リナはすでに18歳になっていた。
「ったく・・・・・何してんのよ・・・・あいつは。」
リナはそういい、近くの岩に腰をかけた。
「おーーリナ。もう来てたのかーーー」
そうリナの後ろから声が聞こえて来た。
「ガウリイ!!いったい何やってたのよ!!」
そういい立ち上がり駆け寄った。
「リナさん。」
「よ、リナ。」
「アメリア!!ゼル!!」
ガウリイの後ろにはかつて一緒に戦った仲間の姿があった。
「あれ?何でアメリアとゼルが一緒にいるの?ゼルとアメリアは逆の方に旅立ったんじゃ?」
リナはアメリアとゼルガディスの顔を交互に見て聞いた。
「ま・・・・まさか!!」
リナはある事に気がついた。
「あ、分かりました??もう、私は17歳ですよ。ゼルガディスさんは20歳です。」
アメリアは笑っていった。
「結婚したのーーー!?」
リナは声を上げた。
「はい。結婚したんです。」
アメリアはにこにこしながら言った。
その横でゼルガディスはぼそぼそと
「こうやって驚くから言うのはやめようっていったんだよ・・・・」
といっていた。
「・・・・ガウリイは知ってたの??」
リナはガウリイの方を見て言った。
そう、ガウリイは驚いていなかったからだ。
「あぁ、さっき会った時に聞いたからな。」
ガウリイは頬をぽりぽりかいていった。
「・・・・・アメリアのくせに!!」
リナはちょっとばっかり羨ましかったのだ。
リナとガウリイが、自分の気持ちに気が付き、付き合い始めたのは、一年前のこと。

「リナ・・・・・俺・・・・・ずっと一緒にリナと旅をしてきたから気が付かなかったが、スキなんだ。
リナと離れて過ごした半年・・・・・俺・・・・気が狂いそうだった。」
ガウリイは静かな声で言った。
「ガウリイ・・・・あたしも・・・・ガウリイが好き・・・・・」
そう、離れてみて、お互いの大切さ、温かさが身に沁みたのだ。
そして、二人は付き合い始めたのだ。



「リナさん達も一年前に付き合ってたんですか〜〜あたし達はヴァルガーヴを倒した後、
セイルーンに二人で言った所で婚約会をしたんです。」
アメリアは、魚を食べながら言った。
「しっかし、まぁ・・・・あんたらがくっつくなんてねぇ・・・・・ゼルがゼイルーンの王子様ねぇ・・・・
で、フィルさんが王様・・・・・想像つかないわよ・・・・・まったく。」
リナは魚をがつがつ食べながら言った。
「リナ・・・・お前も変わっちゃいねぇな・・・・ガウリイの旦那もな・・・・・」
ゼルガディスは、苦笑しながら言った。
「まぁ・・・・・ガウリイが変わっちゃってたら怖いでしょ・・・・・」
リナはバクバク食べ物を口に持って行っているガウリイを見て言った。
「リナさんも良かったらセイルーンで結婚式挙げたらどーですか?」
アメリアは、もの凄い提案をしてきた。
『え!?』
リナとガウリイは声をそろえて間の向けた声を上げた。
「え!?じゃなくて、結婚式ですよ!結婚式!!!」
そんなアメリアの言葉を聞いていたゼルガディスは苦笑していた。
「ちょっとゼルも何か言ってよ、アメリアに!!」
リナは額に汗をかきながらゼルガディスに言った。
「何を言わせるんだ?別に言う事もないだろう。」
そう言いながらゼルガディスは魚を口に運んだ。
「ちょっとゼルゥ〜〜〜アメリアを止めることくらい出来るでしょ・・・」
リナはゼルガディスの服を掴んだ。
「別に止める事もなかろう。俺もいい案だと思うが。」
ゼルガディスはリナの想像していなかったことを喋った。
「ゼル・・・・あんた・・・・性格変わったわね!!」
リナは掴んでいたゼルガディスの服を話、数歩後ろへ下がった。
「あたし達は・・・・・」
「俺たちは・・・・・・・」
リナとガウリイはそこまで言うと、フォークを置き、席を立ち・・・・・
『まだ結婚はしないーーーーーーーー!!』
そう叫び、店を飛び出した。
「あ!!リナさん、ガウリイさん!!逃げるなんて卑怯じゃないですかぁ!!」
そういい、リナとガウリイの後を追って走り出した。
「ったく・・・・・世話のやける奴らだぜ・・・・・」
ゼルガディスはそう言いため息をつくと、アメリアの後を追って店を出た。
「あんたたちとは、あたし達は違うのよーーー!!」
リナの叫び声が、森中に響き渡った。
これから、また仲良し4人組の旅が始まるのであった。
ゼル『その、仲良し4人組だけはやめてくれ・・・・・』



終わり☆