スレイヤーズぷれぜんと> 「ねぇ・・・・ガウリイ。」 リナは声を低くしてガウリイに話しかけた。 ガウリイはリナの殺気を感じ取った。 「な・・・・なんだ?」 「ここに置いてあった肉団子・・・・・・何処にいったの?」 リナの目が赤く燃えているように見えた。 「え゙・・・・な・・・・なんだよ・・・・」 ガウリイはすこ〜し後ずさりしていた。 リナはガウリイに万遍の笑みを見せた。 その笑みを見たガウリイが油断した瞬間・・・・・ 「え゙・・・・な・・・・なんだよ・・・・じゃなぁぁぁぁぁぁぁぁあい!!!」 リナはガウリイの胸座を掴み前後に揺らした。 ゆっさゆっさゆっさゆっさごっつんごっつんごっつん・・・・・・・ 揺すっている音がいつの間にか何かに激突している音に変わっていた。 「リ゙・・・・・リ゙ナ゙・・・・・頭・・・・・・痛い・・・・・・」 ガウリイは声を振り絞って喋った。 「あ・・・・ガウリイ・・・・・」 リナは我に返り、ガウリイを見た瞬間驚いた。 ガウリイの頭から血が流れ出ていたからだ・・・・・ 「あああ!!ガウリイごめん!!」 そう言うとリナはブツブツと呪文の詠唱を始めた。 「リカバリィ!!」 魔法をかけた瞬間ガウリイの頭の傷はみるみるうちに消えていった。 「リナ・・・・少しは気をつけろよ。」 ガウリイはため息をつくとそう言った。 リナはなぜかガウリイの言葉を静かに聞いていた。 そして・・・・・・・ どさっ・・・・・・・・・ リナが倒れたのだ。 「リナ!?」 ガウリイはリナに駆け寄った。しかし、反応はなかった。 見る見る顔色が青くなっていった。 「リナ!?おい、リナどうした!?」 ガウリイはリナの体を揺すった。 しかし、リナの顔色が青くなる一方で、意識は戻らなかった。 「くそ・・・・・シルフィールやアメリアがいれば・・・・・」 ガウリイは唇をかみ締めた。 「あれ?ガウリイさんじゃないですか!!」 声はガウリイの後ろから聞こえた。 「ア・・・・アメリア!!」 声の主はアメリアだった。 「リナさん!!!」 アメリアは声を上げると駆け寄ってきた。 リナの横に膝を着くと右手でリナの首元を触った。 「・・・・・・・」 静かな時が流れていく。 「ガウリイさん。私には治すことが出来ません。近くの街の病院に運んでください。」 アメリアの言葉を聞いたガウリイは急いでリナをおんぶして街へ向かった。 「すみません。急患です!!」 アメリアはガウリイにおぶさってもらっているリナの様態を見ながら病院へ入って行った。 「こちらです。ジャルファイ先生、入りますよ。」 看護婦さんの後を追って診察室へ入った。 「どうしました?」 「○○店で肉団子を食べていたら急に倒れて、顔色がどんどん青くなっていったんだ。」 ガウリイはリナをベットに寝かせて言った。 「どれ・・・・・・」 ジャルファイ先生はリナの喉元に手を置き、次におなかを軽く押した。 「ぐっ!!」 意識のないリナが声を上げた。 「こ・・・・・これは・・・・・」 ジャルファイ先生は静かに声をあげた。 「なんなんだ!?分かったのか!?」 ガウリイはジャルファイ先生に向かってそう叫んだ。 「あぁ・・・・・これは、ジャスティンという毒だ。」 ジャルファイ先生は暗い顔をして言った。 「この辺でしか取れない珍しい毒を持った薬草を使った毒だ。毒の効果を消すには、 同じ薬草を使って解毒剤を作らなきゃならない。」 ジャルファイ先生は下を向いたまま言った。 「毒は何処で盛られたんだ?」 ガウリイはジャルファイ先生にそう質問した。 「多分、お店で・・・・・」 「う・・・・」 ジャルファイ先生がそこまで言いかけた瞬間、リナの意識が戻った。 「何か食事中に何時もと違う事起きたか?」 ジャルファイ先生は目覚めたばかりのリナに聞いた。 「食事・・・・中に・・・・・腕がチクッて・・・・・」 リナは頑張って声を出した。 「リナさん。喋っちゃ駄目ですよ!!」 アメリアはリナに向かってそう言った。 「いや、喋れる時に分かる事を言って欲しい。ちょっと・・・・」 ジャルファイ先生はそこまで言うとアメリアとガウリイをつれていった。 「何ですか?ジャルファイ先生。」 アメリアは、ジャルファイ先生の目を真っ直ぐ見て聞いた。 「急いで解毒剤を作らなければ、死ぬぞ。」 ジャルファイ先生はそう言った。 「この人の所へ行けば、薬草探しが楽になるかもしれない。ここへ行きなさい。」 ジャルファイ先生はそう言うと紙ッキレを渡した。 「急いで行きましょう、ガウリイさん。」 そういいアメリアはガウリイの手を取って駆け出した。 コンコンコン・・・・・・ 「どうぞ。」 聞こえた声は聞き覚えのある声だった。 カラカラカラカラ・・・・・ ドアを開けたその先にはなんと・・・・・ 「ゼルガディス!!」 「ゼルガディスさん!!」 ガウリイとアメリアの声がハモった。 「なんでこんな所にいるんですか?」 アメリアはゼルガディスに質問した。 「ちょっとここら辺で事件が起きてるらしくてな。報酬が弾むから依頼を受けたんだよ。」 ゼルガディスはそう答えた。 「事件??ちょっと詳しく話してくれ!!」 ガウリイはゼルガディスに向かって叫んだ。 「あ・・・?ダメダメ。他言無用だよ。」 ゼルガディスは手をパタパタとふった。 「△病院のジャルファイ先生にここに行けと言われて来たんだが・・・・・」 ガウリイはアメリアの方を向いて呟いた。 「なに!?そうか・・・・・依頼主がそう言うならいいだろう。」 ゼルガディスはイスから起き上がると急に壁の方へ歩き始めた。 ギギ・・・・・ゴゴゴ・・・・ガガガ・・・・・・ 変な音を響かせて壁が急に開きドアが出現した。 「隠し扉・・・・・」 ガウリイはポツリと呟いた。 「あ、ガウリイさん!!置いていかれますよ!!」 アメリアはそう叫ぶとガウリイの腕をガシっと掴みズカズカと歩き始めた。 歩き始めて少ししたところでゼルガディスが立ち止まった。 「ここだ。」 そう言って真っ黒いドアに手をかけた。 ガガガガガガガガ・・・・・・ 大きな音が当たりに木霊した。 「これは・・・・・・」 アメリアとガウリイが見たものは、部屋中に生えていた色とりどりの薬草だった。 「俺が受けていた依頼は、この辺で毒を持った薬草を使った殺人事件が起きているから、 この向かいの山で薬草を取り、解毒剤を作ってくれというものだ。 だが、一つだけ手に入っていない薬草があるんだ。」 ゼルガディスは奥歯を噛みしめながら言った。 「そういえば、リナはどうした?」 ゼルガディスはガウリイに問いかけた。 「リナは毒にあたって病院で寝ている。」 「何!?」 ゼルガディスは大きな声を上げた。 「それって・・・・ジャスティンって言う薬草じゃないか?」 ゼルガディスの言葉にアメリアとガウリイは顔を見合わせて頷いた。 「くそ・・・・・その薬草だけが手に入っていないんだよ・・・・・」 ゼルガディスは地面をドンと叩いた。 「その毒は、早く効果を消さなきゃ毒におかされたものは三日以内に死ぬ。」 ゼルガディスは下を向いたままそう言った。 急なことでガウリイとアメリアは反応できなかった。 「おい。リナが毒におかされたのはいつだ?」 ゼルガディスは顔を上げるとそう聞いた。 「ついさっきです。」 ガウリイに変わってアメリアが答えた。 「毒にかかってから揺すったりしなかったか?」 ゼルガディスは次々に質問をしていった。 「最初、アメリアが来る前にリナが倒れたから揺すってしまった・・・・・」 ガウリイは低い声でそう言った。 「そうか・・・・となると・・・・・明日の今頃がやばくなるな・・・・・」 「それって明日の今頃リナが死ぬかも知れないって事か!?」 ガウリイはゼルガディスの目の前に立って言った。 「夜通しで薬草を探しましょう!!」 アメリアはスッと立ち上がると握り拳を作って言った。 「あぁ・・・・早めに見つけてリナのところへ急ぐぞ。」 ガウリイもスッと立ち上がった。 「きっと犯人はリナが死んだか確認しに来るはずだ。あんな店の中で倒れたんだから、 犯人だって入院しているのはわかっているだろうから。」 ゼルガディスは下唇を噛むと立ち上がった。 「じゃぁ、復活したリナさんにその犯人は懲らしめられるのね。」 アメリアは笑いながらそう言った。 「行くぞ!!」 ゼルガディスはそう言うと駆け出した。 がさがさがさがさ・・・・・・ 三人は茂みを掻き分け薬草を探した。 「これだ!!!」 そう叫んだのはゼルガディスだった。 夜明けとともに薬草が見つかったのだ。 「これを擂って解毒剤を急いで作ってリナのところへ行くぞ。」 そう言ってゼルガディスの研究所へ急いだ。 あれから30分後 「リナ・・・・リナ・・・・・」 ガウリイは静かにリナを起こした。 「う・・・・ガウ・・・リイ・・・・」 リナは少し目を開けた。 「これ・・・・・苦いと思うが飲んでくれ。」 今度はゼルガディス。 コップと解毒剤をリナに渡した。 「ん・・・・・」 コクコクコクコク・・・・・ リナの解毒剤を飲む音が部屋中に響いた。 「ぷはぁ・・・・」 飲み終えた瞬間リナの顔色が見る見る良くなっていった。 「皆・・・・ありがと。」 リナは顔を赤らめて下を向き、ポツリと呟いた。 「気にしないで。リナは悪くないんだから。そうだ。リナ。耳貸して。」 アメリアはにこっり微笑み言った。 「ん・・・」 リナはアメリアの言葉に耳を傾けた。 「今日の夕日が沈む頃、犯人がやってくると思うわ。好きにして良いから、犯人を。」 アメリアはリナの耳元で静かに言った。 「分かった・・・・・まだ時間ありそうだし、少し体力回復させるね。」 そう言うとリナは眠りについた。 がたがた・・・・・ 「何・・・・・死んで居ないのか?」 声は聞き覚えのあるものだった。 「くそ・・・・・今度こそ殺してやる!!」 声の主は暗闇にまぎれて光る何かを振り上げた。 ぶんっ!!!ざくっ!!! 「ダストチップ!!」 声はベットのしたから聞こえた。 「うわぁ!?」 犯人は急いでその場を離れた。 しかし、腕に傷を負ってしまっていた。 「よくも、あたしを殺そうとしてくれたわね・・・・・覚悟しなさいよ。」 リナの目は怖かった。 隠れてみていた3人はリナのもとへ行く事が出来なかった。 「ちょ・・・・何で俺が・・・・・」 「問答無用!!!ファイアー・ボール!!!」 ずぼぼぼぼぼぼぼぼんっ!!! 「ふんっ。このリナ=インバースをどうにかしようってったって無駄よ!」 リナは髪の毛をぱさっとなびかせて言った。 「くそぉ!!」 そう叫んだ男は剣を抜いた。 ぶんっ!!! やばい!!!まだ病み上がりで避けられない!! リナがそう思った瞬間、 かきぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!!! 「!!・・・・ガウリイ!!」 目の前には剣を構えたガウリイの姿があった。 「よう。」 「往生際悪いぜ。」 「そうですよ!!」 と、今度はゼルガディスとアメリアが現れた。 「ジャルファイ先生。もう、ばれているんですよ。」 アメリアがそう言った瞬間部屋が明るくなった。 「くそ・・・・・」 ジャルファイ先生は立ち上がり、ドアの方へ向かった。 「スリーピング!!」 そう叫んだのはアメリアだった。 「さ、突き出しにいきましょ。」 そして、ジャルファイ先生は役人のもとへ・・・・・・ リナ達はといえば・・・・・ 「あ〜報酬がっぽりぃ・・・・・」 リナは報酬の入った袋を持っていた。 「こんなに報酬もらえるなんてねぇ・・・・・」 「リナさぁぁん。あたし達も手伝ったんですから分けてくださいよぉ。」 アメリアはリナのマントを掴み、そう言った。 「い・や。これは、あたしの金貨よ。」 こうして、また4人でのたびが始まった。 END