少年たちの、あるさわやかな一日 (中)



 とんとん。
「ったく・・・
 誰だ、いきなり・・・」
 昼下がり。
 両親に言いつけられていた畑仕事をサボって(爆)、
家の中で時間をつぶしていたルークは不機嫌そうに扉へ向かった。
 がちゃ。
「帰れ、おまえは」
 ばたん。
「あ゛あ゛!
 何でですか!?」
 戸の外にゼロスの姿を見た直後に、再び扉を閉めるルーク。
 ・・・いくらなんでも、ひどすぎじゃあ・・・?
 さすがにもう一度扉を開けなおしたが。
「で?
 いったい何のようだ?
 俺は忙しいんだ」
 サボってたくせに。
「いえ・・・
 ただ僕は、母様からこれを届けるように伝えられただけで・・・」
 そう言いながらゼロスは、後ろ手に持っていたらしいバスケットを出す。
「りんご・・・?
 おめーが持って来ると、こーゆーのは胡散臭ぇんだよな・・・」
 あたしも激しくそう思う。
「別に、毒が入っていたりするわけじゃないですよ。
 ただ、母様の叔母の息子のご友人の曽祖父の弟子が作ったので、
たくさんおすそ分けしてもらったんですよ」
「誰だよそれは・・・」
「まあ、とにかくどうぞどうぞ」
 しぶしぶ受け取る・・・受け取る前に、手元や中身を注意深く確認してからだが。
 ちなみに食べようとはしない。
「それから・・・
 手紙受けに何か入っていましたよ」
「手紙ぃ?」
 そこまで疑うか。
「それじゃあ、僕は帰ります」
「とっとと帰れ。疫病神」
 いちいちもっとも。

 んで。
「手紙手紙・・・
 おっ?これか?」
 小さな箱をあさってみると、確かに封筒が一通。
「手紙・・・というか・・・
 こいつは・・・」
 いわゆる一つの、らぶれたぁと言うものではないだろーか。
 白い便箋。赤いハートのシール。ン十年前の漫画でよく出てくるタイプである。
 やはり漫画であるように、誰も見ていないことをきょろきょろと見回して確認。
 それから、家の裏に回っていそいそ・・・
「でも・・・
 一体何処のどいつが・・・?」
 そう口では言いながら嬉しそうだぞ。
 で。シールを注意深く剥いで、中の便箋に手を・・・

 ぼむ!





「どうやら、『ラブレター型小型爆弾』は成功だったみたいですねぇ。
 手紙を入れたのは僕ですが、まあ、手紙は『入っていました』から」
 犯人あんたか。黒い悪魔。
「ガウリイさんに小屋壊された仕返しです」
 それは、仕返しじゃなくて憂さ晴らしって言うんじゃぁ・・・
「それは秘密です♪」
 ・・・(汗)